電力自由化~その内容やメリット、デメリットなど

まず電力自由化とはそもそも何かと言うと、これは簡単に言うと、電力の販売が自由化されたと言うことです。

これまで日本においては、家庭向けに供給されている電力の販売と言うのは、限定された企業によってのみ行われていました。

そしてその企業は各地域ごとに管轄を持っていたため、ある地域に住み電気を利用することになったら、その地域を管轄している企業が販売している電気会社と契約するしかないと言うのが、従来の状況でした。

そこでこうした状況を改め、限られた企業以外の企業も電力販売に参入できるように変更されたと言うのが、電力自由化です。

実はこの仕組みは、日本においては工場やデパートと言った、比較的、電力使用量が多い施設に対しては既に導入されていたことでした。

これが今回、一般家庭に向けても解禁されたのは、電力販売市場を開放することで競争原理が発生すること、また電気事業における資源配分の効率化を目的としているためです。

■電力自由化のメリット

では電力自由化によってどのようなメリットが期待できるかと言うと、ひとつは市場開放によるサービスの充実です。

従来は電力販売市場は閉鎖的であったため、それを扱っていた企業は何もしなくても、自然に利用者を獲得できるような状態でした。

しかし市場が開放され新たな企業が相次いで参入したことは、利用者にとっては選択肢が多くなったとも言えます。

そのため何かしなければ利用者が次々、別の企業に乗り換えてしまうことも考えられます。

これは従来、電力販売を一手に担ってきた企業に関しては勿論のこと、それ以外の企業に対しても言えることです。

その結果、利用者獲得のために各社が魅力あるサービスを提案する傾向が高くなると言うのが、大きなメリットだと言えます。

実際、ネオコーポレーションなどのように新たに電力販売に参入した企業の中には、自社が元々扱ってきていたサービスと電力販売を組み合わせて、より利用者にとって魅力的なプランを用意しているところも少なくありません。

たとえばガス会社であれば、電力とガスをセットで契約することで、そのどちらの基本料金も安くなると言った内容のプランです。

スーパーなどの小売業の中には、電気料金にも、そのお店が独自に発行しているポイントなどがつくと言うプランを用意しているところもあります。

そもそもとして、電力販売市場が開放されたことで、電気料金を自由に設定できるようになったわけですから、これだけでも利用者にとっては嬉しいことだと言えます。

■社会全体の省エネ効果も期待できる

そして多彩なサービスが増えることは、社会全体の省エネに対しても効果が期待できると言うのも、メリットのひとつです。

たとえば皆が多く電力を利用することが予想される時間帯に電気料金を高めに設定し、逆にそれ以外の時間には非常に安い価格に設定したプランがあるとします。

そしてそれを販売している企業が、それを宣伝に利用しながら、できるだけ安い時間帯に電力を使うように誘導すると、使用電力のピークを分散させることにもつながります。

その結果、社会全体においてもまんべんなく電力が使用されることが期待でき、環境にとっても優しい状況が期待できると言うことです。

更に利用者も、サービス内容だけではなく電力がどのような方法で生み出されているかと言った情報をもとに電気会社を選択することができると言うのも、メリットです。

たとえば安定性を求める人であれば火力発電や原子力発電で生み出された電気を販売している企業と契約するとか、とにかくエコ第一に考えたい人は、風力発電によって生み出された電気を販売している企業と契約すると良いです。

そしてこのような流れにおいて、より自然に対して負担がかかりにくい発電方法を選択する人が増えれば、それもまた社会全体のエコにつながります。

このように電力自由化のメリットとしては、電力に関するあらゆる面においての選択肢の幅が増えたと言う点が挙げられます。

■電力自由化のデメリット

では反対にデメリットはあるのかと言うと、これは可能性のひとつとして電気料金の値上がりが挙げられます。

実際、電力自由化を導入している諸外国の多くでは、電気料金は、この仕組みを導入した直後は下がったものの、数年後には導入前よりも上がってしまっています。

日本においては、生活する上で欠かすことができない電気に対しての料金は、むやみに値上がりしないよう国によってある程度までは管理されています。

しかしこの仕組みが導入されたことで、その規制自体にも動きが出てきているのは事実です。

そのため将来的にその規制が撤廃されると、サービス選択肢が増加してしまったが故に生き残るために、あらゆる付加価値を付けながら同時に電気料金を値上げすると言う企業が出てきても不思議ではないと考えられます。

そして一社が値上げに踏み切れば、それに続いて他社も値上げに踏み切る可能性も高いです。

また電力を生み出すために必要な資源、たとえば火力発電の場合は原油の価格は、日本だけで決められるものではありません。

そこには世界の経済、政治情勢が大きく関係しています。

よってそれらの変動を受けた結果、やはり数年後には値上がりが余儀なくされることもあると言うのも頭に入れておくべき点です。